NHKの「地方空港はつらいよ 格安航空誘致奮闘記」で茨城空港を特集

NHKで茨城空港の特集を放送していました。
東京五輪を前に各地の空港は海外のLCC・格安航空会社の誘致を加速させている。羽田や成田に近い茨城空港は危機感を募らせ、LCC呼び込みに奔走する。担当者に密着した。
茨城空港は国内初のLCC対応空港として、4年前に開港。徹底したコストダウンで利用料を安くし、航空会社に優しい空港として、海外で表彰も受けた。しかし、震災で韓国の航空会社が茨城就航を取りやめた上、同じ首都圏にある羽田や成田空港が、LCCの増便や専用施設の建設を進めている。茨城県空港対策課ではアジア各国の格安航空会社や旅行会社のニーズを把握し、就航や増便を呼びかける。おもてなし誘致作戦は功を奏すのか?
というわけで、簡単に内容をまとめつつ、感じたことを。
気になる方はきちんと番組を見てください。

朝一に意味があるのか新聞の切り抜き

空港の路線誘致などを担当する茨城県企画部空港対策課では毎日、新聞の切り抜きから仕事がスタート。関係のありそうな記事を主要な新聞からチェック。
"班でローテーションを組んでやってます。重要な話題があるので見逃しがないように"
って、今時新聞の切り抜きですか・・・。小学校を思い出します。

中国で頑張るもイマイチ

10月に深センで行われたCHINA LOW COST CARRIER SUMMITに参加する企画部空港対策監、渡邊さん。一生懸命英語でのスピーチ内容をチェックしていますが、"茨城なまりになってしまう・・・"と心配そう。
大丈夫。ネイティブは少ないですよ。

実際のスピーチでは原稿通りに話していない点が番組で取り上げられ、ドンマイ・・・・・・。
英語がそこそこ話せる人が県庁にはいないの?

サミットでのスピーチ後、台湾のLCC(タイガーかV air)の担当者と話す渡邊さん。たぶんV air。
担当者は"日本へは2015年2月頃に就航予定だけど、どこに飛ばすかは未定"と濁す。

最後は香港エクスプレスのコーウェン副最高経営責任者と会話。
コーウェン氏に名刺を渡すと"オー、ワタナベサンね!春秋航空で上海から茨城に飛びましたよ!"
"今羽田に飛ばしてて、もうすぐ成田に飛ばすんです。ええ、茨城空港は良いと思いますよ、ただリスクは取れませんねぇ。"
そう、茨城空港は少なくとも首都圏に就航しようと思っているLCCなら一度は考える空港。知名度がない?少なくとも関係者ならそんなことは決してありません。調べた上で就航しないんです。

効率が悪そうに見える空港対策課

サミットに参加した関係者に送る文章を、職員全員で考える。
LCCにメールを送るだけに10人近くが集まり会議。
一生懸命日本語で丁寧な文章を書いていますが、結局英語で送るはず。
英語と日本語ではメールの書き方が違うので、要点だけ箇条書きにして英語が出来る職員に渡せば良いのに・・・。さすが我らが茨城県です。

お昼。職員達は海外からのメールに備え、食堂ではなく職場でお弁当をアピール。
"海外とは時差があるので、いつメールが来ても大丈夫なように"ってそんな時差があるところとお話が進んでいるんですか?

その後、返ってきたメールはV airから(メールの内容から推測)。茨城空港への関心があるようですが、至って普通の内容。次回の訪日時に会えれば・・・と書いてありましたが、果たしてどうなるのか。ってもう結論は出ているようなw

求められているものが何かわからない

都道府県魅力度ランキング2年連続再開で落ち込む渡邊さん。
多くの中国人を含む観光客は東京駅まで500円のバスで、空港に着けばすぐ東京へ。
皆さん茨城をスルーするわけですが、茨城で生まれ育った自分からしても、魅力度が無いのは仕方がないかな感じます。

結局定期便が少ないので、チャーター便に頼る茨城空港。
観光物産課がタイの旅行会社にコンタクトを取り、担当者を茨城に招く。
タイと聞いて観光物産課の職員が唯一思いついたのが、牛久の大仏。
タイ人に牛久の大仏を薦めるとは、さすが茨城県。

続いて台湾のツアー観光客が潮来市に来るという情報を掴んで、観光物産課の職員が宿泊先へ突撃。
ひたち海浜公園のコキアをアピール。なんとスケジュールを変更して翌日向かうことに。
喜ぶ台湾人観光客。
旅行会社担当者は"来年10月のツアーに海浜公園を入れてみようと思う"と好反応。

今の日本と中国の関係が垣間見える交渉

10月下旬、中国ハルビンに本社がある旅行会社が茨城空港を視察。
早速交渉。
旅行会社はハルビンと上海から茨城空港にチャーター便を飛ばしたいらしい。

"茨城空港の着陸料はいくら?"と聞く旅行会社の敏腕社長。
直ぐに答えられず、資料を探す空港関係者。資料を見つけ"大体6万円"と答える。
"高すぎる"。
"チャーター便に対して茨城県の政策があるはずだから聞いてみろ"と社長が通訳言うと、"茨城に1泊すると1人1000円の補助金が出る"と空港関係者。1000円の補助金で食いついたようで好感触か。

LCCを利用したことが無さそうな職員達

それから5日後。成田のLCC専用ターミナルに関する記事が書かれた新聞の切り抜きを職員から受け取り、読む渡邊さん。
新聞の切り抜き以外に情報収集の手段は無いのか。
それともテレビ用にワザと切り抜いているのか、ここまでくると全く不明。

非常にLCCターミナルが気になる渡邊さん。成田空港のプレスリリースを読みながら、成田空港へ視察に。
成田空港関係者が"夜を明かす人用にソファタイプの椅子も用意"と言うと驚く渡邊さん。茨城空港との差を感じている様子。まだ空港泊の経験が無いんですねw

修学旅行が頼みの綱?

渡邊さん率いる県の職員が圏内の高校へ。教職員に修学旅行で茨城空港を使って欲しいとアピール。
"茨城空港1番の利点は絶対に空港の中で迷う人が出ない。引率が楽。補助金も用意します"だそう。

やったぜチャーター!夢を語る職員

さらに数日後、2015年3月~4月にハルビン-茨城間にチャーター便就航決定。9往復。喜ぶ職員。

思わず飲みに。酔っぱらい、饒舌になる職員たち。
"茨城空港に行けば世界中どこにでも行けるようになればいい"
"ハワイとかグアムとかにチャーターが飛ぶと行く人がいると思う"
"台湾は茨城から、というキャッチフレーズが浸透するようにしたら?"
"茨城から行けちゃう台湾"

果たしてそんな日は来るのか。

追記: チャーター便詳細

結局2015年2月~3月に変わり、9往復から8往復に変更。
2月1日から毎週日曜日に運航です。
これを機にチャーターが増えると良いですねぇ。