航空券を買うときに、9980円!や50000円!という表示が多々あります。
安い!という印象が飛び込んでくるような価格ですが、実際に予約をすると燃油サーチャージや税金を取られて、倍以上の金額になってしまうというのは、海外に旅行をされたことのある方なら必ずご経験があると思います。
これはLCCやFSA関係なく、今の日本ではあたりまえの光景となっています。
しかし、実際は日本や一部の発展途上国だけがこういった表示で、所謂先進国や旅行産業が発達している国では、航空券の総額表示はあたりまえです。
国によっては、総額表示を法律で定めているところもあります。
例えば、日本でも国内線を飛ばしており、知名度がそれなりあるジェットスター。
ある日の関空-台北往復の料金を見てみましょう。
最安値は往復共に3000円のフライトです。単純に計算すると往復6000円となるわけですが、実際は違います。
15610円かかります。
燃油サーチャージや空港施設使用料等がかかるため、6000円の倍以上の金額になってしまいます。
さて、ジェットスターの本社はオーストラリアですが、オーストラリア版で同じフライト見てみましょう。
最安値のフライトは行きが8650円。帰りが6960円。合計で15610円。
もうお気づきでしょうが、日本では諸税を抜いた金額で表示し、本国オーストラリアでは最初から諸税込の総額表示をしています。
同じ会社なのに、なぜ!!!
同じ会社なのに、なぜ!!!
これはジェットスターに限らず、日本に就航している会社はほとんど同じ手法で料金を表示しています。
例えばKLMオランダ航空。
日本語サイトだと
やっぱり諸税抜きの価格。45000円ではあたりまえですが、ヨーロッパ往復は無理です。
しかしオランダでは、全て総額表示。実際にかかる最低限の費用が一目瞭然です。
ただ、KLMの場合は予約画面にいくと、ジェットスターのオーストラリア版のように総額表示なので、まだ良心的です。
もちろん、日本でも総額表示を徹底している会社もあります。
その代表的な例がエアアジア。
普段の広告から予約に至るまで、全て総額表示です。
キャンペーンも総額表示なので、支払手数料以外に取られることはありません。
予約画面も、全て総額表示。広告に釣られて予約をしようと思っても、納得の料金です。
と、航空会社を見て来ましたが、一番ひどいのは日本の旅行会社でしょう。
某有名旅行代理店の、料金表示です。
ソウルまで10900円!ヨーロッパまで28000円!で行けるわけもなく、燃油サーチャージや諸税を入れると、ヨーロッパなら最低でも10万近くします。
ただ、この旅行代理店も日本ではなく、海外の支店では総額表示を行なっています。
例えばロンドン支店の料金表示。
イギリスの支店なのでポンド表示ですが、全て諸税を含めた場合の最低金額です。
もうここまでくると、なぜイギリスでは総額表示にしているのか分かると思います。
日系旅行代理店のロンドン支店だけではなく、ヨーロッパ圏ではほぼ全ての旅行会社や航空会社で総額表示をしています。
一般的に、2万円だよ!と言われているものが10万円になったら、詐欺じゃないですかね?
もちろん小さく「*◯◯を除く」と書かれていたとしてもです。
日本旅行業協会(JATA)は数年前に、各航空会社に対して航空券価格と燃油代を統合することを要請したと伝えられましたが、そんなものは航空会社がしなくても旅行会社の方でいくらでも計算することが可能です。
あくまで「◯◯◯円から」という表示になっているのは日本でも海外でもあたりまえです。
日にちや空席状況によって価格は上下しますからね。
最低でもこの金額がかかるというのを示すことは、当たり前だと思いますが、なぜ日本の旅行業界はしないのでしょうか?
もちろん、総額表示を徹底している日本の会社もありますので、みなさんの近くで総額表示をしている旅行代理店があれば、その会社はほんと良心的です。
もちろん、総額表示を徹底している日本の会社もありますので、みなさんの近くで総額表示をしている旅行代理店があれば、その会社はほんと良心的です。
少しでも安い金額を表示し、自分の会社が一番安いんだ!というアピールをしたいのはわかりますが、少し行き過ぎかと思います。
支払手数料で数百円請求されるのと違って、空港施設使用料や燃油サーチャージは額が大きいですからね。
昨年から日本でもLCCの風が吹き始め、各社がこぞってキャンペーン料金を発表しています。
国内線は燃油サーチャージがかからないのでまだ良いですが、近距離国際線は酷いですね。
100円で上海や777円でソウルに行けるわけがないのに・・・。そういった表示はもう、景品表示法でアウトにすべき。
一刻も早く、他国と同じ総額表示を日本でも徹底していただきたいと思います。