9月からGDSでルフトハンザを予約した場合16ユーロの手数料を徴収へ!

ルフトハンザグループは今週火曜日に行われた会見で、2015年9月1日からGDS(Global Distribution System)を通して予約した航空券に16ユーロ(現在のレートで約2200円)の手数料を徴収する予定だとしています。
手数料の名は、 "Distribution Cost Charge"(DCC)。
発表されている情報では、国・路線に関わらず一律に徴収されるとのことで、日本発着路線はもちろん対象です。
Lufthansa redirects commercial strategy - News & Releases - Lufthansa Group

簡単に解説しましょう。
GDSとは、旅行会社が使用している予約・発券システム。
旅行会社は航空会社から直接予約をするのではなく、一般にこのGDSを通して予約をしています。

ここ数年、航空会社は自社のホームページで予約するのが最も安い!ということをアピールし、旅行会社に支払う手数料をほぼゼロとしている場合がほとんど。
今は多くのFSCで最安値保証をしている時代です。
ベストプライス ギャランティー - Lufthansa ® 日本

その結果、旅行会社は航空券を予約する際に手数料を徴収するようになりました。
だって5万円のチケットを5万円で売っても利益がゼロなんです。航空会社は1円も旅行会社にくれません。
なら手数料を徴収して利益を確保しよう!という流れになります。

このブログを読んでいる方は、旅行会社の支店で航空券の手配をしている方はほぼいないでしょう。
今、手数料っていくらかご存知ですか?
H.I.S.やJTBで日本発の国際線格安航空券を予約した場合、1人1件6480円ですよ。
2人で予約したら12960円。
最初手数料が導入された時は1000円、2000円だったと思うんですけどね。

この辺りの話に興味がある方は、ちょっと古いですが、2008年~9年頃の記事をご参考に。
国際航空券の販売方式が変わる--ゼロコミッションで旅行会社が大転換 | 産業・業界 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト
旅行大手各社の発券手数料−ゼロコミッションで4月1日からの導入、値上げも | 旅行業界 最新情報 トラベルビジョン

話がズレましたが、この航空会社と旅行会社の間にいるのがGDS。
アマデウスやセーバーといった会社です。
とは言っても、GDSも民間企業ですからタダでシステムを使わせてくれる訳ではありません。
航空会社は旅行会社に手数料を支払わない代わりに、GDSにはしっかりと手数料を支払ってきました。

もうそんな手数料は支払わないぜ!GDSを使って予約をする奴は手数料払えよ!というのが今回の話。

一般にエクスペディア等のオンライン旅行会社でさえGDSを使っているので、とりあえず旅行会社と名の付くもので予約をする際はこの手数料がかかってしまう・・・と考えたほうが良いでしょう。

とは言え、ルフトハンザもそこまで鬼ではありません。

ルフトハンザグループでは、既に旅行会社が直接ルフトハンザから予約できるシステムを構築しています。
Lufthansa Group Agent - ログイン
また、独自の予約ポータルNDC(New Distribution Capability)を開発。
既にスイスでテストが始まっているそうです。
こういったシステムを使えば、DCCと呼ばれる16ユーロの手数料を支払うこと無く、問題なく予約ができるそう。

一方で、GDSは怒り心頭なはず。
既に多くの海外メディアがGDSを供給している会社にインタビューをしていますが、批判的です。
Lufthansa seeks to take more control over ticket sales | Reuters
が、既にアマデウスとセイバーとは新たな契約を結ぶために交渉中との情報も。

ツイッターの情報だと、10年以上前にノースウエストもルフトハンザと似たような事にチャレンジしたようですが、批判を受けて撤回したそう。
Northwest Backs Down: Following Backlash, Carrier Rescinds GDS Fees, Keeps Direct Focus - Business Travel News
時代が変わって今は2015年。ルフトハンザの後を追う航空会社が出てきても不思議では無いですね。



色々書きましたが、このブログを読んている方は関係ないでしょう。

ただ、何も知らないで、未だに旅行会社のカウンターでルフトハンザの航空券を予約している人がいるとすれば、9月からもしかしたら手数料が約1万円近い、という不憫は話になってしまいます。
おっと、ルフトハンザグループなので、オーストリア航空やスイスインターナショナルエアラインズ、ブリュッセル航空も同様です。

しかし読者の皆様はホームページやアプリを使って、適切なタイミングに最安値、あるいは最安に近い料金で飛行機に乗っている方達ばかり。

心配無用でしょう。

果たしてルフトハンザはGDSモデルを壊すことが出来るか。9月までは時間があります。注目です。