原油が下がると、航空会社が徴収している燃油サーチャージも値下がり、航空券も値下がり・・・・・・と一筋縄にはいかないのがこの世界。
今回は燃油サーチャージに絡んだネタをいくつか書いてみます。
今回は燃油サーチャージに絡んだネタをいくつか書いてみます。
燃油サーチャージが無くなると航空券は安くなる?
原油価格の高騰を受け、IATA(国際航空運送協会)は1997年に燃油サーチャージに関する制度を発表し、1999年頃から世界各国の航空会社で導入が始まりました。とは言っても貨物が主で、旅客に対して燃油サーチャージが加算されるようになったのは、10年ほど前からでしょう。
日系ではJALが2005年1月20日から、ANAが2005年2月1日から燃油サーチャージの徴収が始まりました(発券日ベース)。
ということで、早速ですが日系を代表してJALの燃油サーチャージのグラフを見てみます。
価格が分かりやすい、欧州・北米線の片道を基準にしました。
2005年の導入時は、片道2500円。2008~9年の金融危機では短期間で急上昇し、一気に片道33000円まで・・・・・・。往復で66000円です。
その後は一気に下落し、2009年7月~9月は燃油サーチャージの一時的に廃止。
2011年頃からは片道2万円強で推移し、2015年2月へと繋がります。
ではJALで日本-欧米を往復した場合、2008年10月1日発券分(サーチャージ無し)と、2009年7月1日発券分(片道33000円)で往復66000円もの差があったのか?と言われれば、答えはNO。
確かに差はありましたが、2万円~4万円程度。
その分運賃が異なり、例えば2008年には運賃が4万円だったチケットが、2009年には5万円、6万円になっていました。
総額で計算すると結局6万円もの差は無く、エアラインや航空券の種類によっては、ほとんど差がない場合もありました。
多くの人が燃油など気にせず、総額でチケットの料金を比べます。
例えば先日紹介した、ブリティッシュ・エアウェイズのオスロ→ニューヨークの航空券。
LCCに価格で勝負を挑むFSC?ノルウェジアンの例
運賃だけなら往復で800円な訳ですが、どんなホームページにもニューヨークまで800円!!!なんて広告はありません。
総額で◯◯◯円!という表示で統一されています。
そもそも、800円で利益が出るはずがありませんよね?
当たり前ですが多くの航空会社では、燃油サーチャージも貴重な収入源。
結局、運賃だけではなく、燃油サーチャージという名前の運賃がさらに加算されているようなもの。
エアカナダのオスロ-マイアミの往復航空券だって、運賃だけなら約6000円。
日本発で欧米までの航空券が800円や6000円だったら激安!
某旅行代理店の広告は桁が一つ少なくなってしまいます。
しかしFSCでは話が別。
ほぼ全ての航空会社が徴収していると言っても間違いないでしょう。
しかし、先日遂に現れたのが燃油サーチャージを撤廃した航空会社。
ロシアのトランスアエロです。
Transaero Airlines Makes Its Tickets More Affordable -- MOSCOW, December 23, 2014 /PRNewswire/ --
数日前から国際線の燃油サーチャージを撤廃することを発表し、既に予約画面に反映されています。
例えばニューヨーク→モスクワでは、taxが45ドル。
同じ路線を運航しているアエロフロートでは、100ドル程度の燃油サーチャージが加算されているため、現時点ではかなり安く予約することができます。
尚、日本から近い路線だと、バンコクあたりがオススメ。
バンコク-モスクワ-ロンドンの往復でtax込6万円を切る航空券などが絶賛発売中です。
Cheap Fuel Threatens to Trim Airplane Sales: Video - Bloomberg
787やA350といった新しい航空機の売りは、燃費の良さ。
燃料費が高かった時は、いち早く低燃費の機材を導入することがコスト削減に繋がりました。
しかし燃料費が安くなれば、話は別。
高額な新しい航空機を導入するよりも、出来る限り今使っている航空機を使い続けたり、新機材の導入スピードを遅らせたほうが利益が上がる可能性が。
事実、多くの乗客は新機材が売りの航空会社よりも、少しでも価格が安い航空会社を選ぶ傾向があります。
Could lower oil prices mean cheaper airline seats?
ここ10年程度を調べてみると、"燃料費が安くなると航空券が安くなる"というのは正しいようで正しくありません。
今の傾向だと来年夏前に燃油サーチャージは無くなりそうです。でも実際に支払う金額は思ったよりも安くならないかも?
日系ではJALが2005年1月20日から、ANAが2005年2月1日から燃油サーチャージの徴収が始まりました(発券日ベース)。
ということで、早速ですが日系を代表してJALの燃油サーチャージのグラフを見てみます。
価格が分かりやすい、欧州・北米線の片道を基準にしました。
2005年の導入時は、片道2500円。2008~9年の金融危機では短期間で急上昇し、一気に片道33000円まで・・・・・・。往復で66000円です。
その後は一気に下落し、2009年7月~9月は燃油サーチャージの一時的に廃止。
2011年頃からは片道2万円強で推移し、2015年2月へと繋がります。
ではJALで日本-欧米を往復した場合、2008年10月1日発券分(サーチャージ無し)と、2009年7月1日発券分(片道33000円)で往復66000円もの差があったのか?と言われれば、答えはNO。
確かに差はありましたが、2万円~4万円程度。
その分運賃が異なり、例えば2008年には運賃が4万円だったチケットが、2009年には5万円、6万円になっていました。
形ばかりの燃油?
日本を除く主要先進国では、航空券の総額表示が当たり前。多くの人が燃油など気にせず、総額でチケットの料金を比べます。
例えば先日紹介した、ブリティッシュ・エアウェイズのオスロ→ニューヨークの航空券。
LCCに価格で勝負を挑むFSC?ノルウェジアンの例
運賃だけなら往復で800円な訳ですが、どんなホームページにもニューヨークまで800円!!!なんて広告はありません。
総額で◯◯◯円!という表示で統一されています。
そもそも、800円で利益が出るはずがありませんよね?
当たり前ですが多くの航空会社では、燃油サーチャージも貴重な収入源。
結局、運賃だけではなく、燃油サーチャージという名前の運賃がさらに加算されているようなもの。
エアカナダのオスロ-マイアミの往復航空券だって、運賃だけなら約6000円。
日本発で欧米までの航空券が800円や6000円だったら激安!
某旅行代理店の広告は桁が一つ少なくなってしまいます。
燃油サーチャージを撤廃したトランスアエロ
いくつかのLCCでは燃油サーチャージを徴収していません。しかしFSCでは話が別。
ほぼ全ての航空会社が徴収していると言っても間違いないでしょう。
しかし、先日遂に現れたのが燃油サーチャージを撤廃した航空会社。
ロシアのトランスアエロです。
Transaero Airlines Makes Its Tickets More Affordable -- MOSCOW, December 23, 2014 /PRNewswire/ --
数日前から国際線の燃油サーチャージを撤廃することを発表し、既に予約画面に反映されています。
例えばニューヨーク→モスクワでは、taxが45ドル。
同じ路線を運航しているアエロフロートでは、100ドル程度の燃油サーチャージが加算されているため、現時点ではかなり安く予約することができます。
尚、日本から近い路線だと、バンコクあたりがオススメ。
バンコク-モスクワ-ロンドンの往復でtax込6万円を切る航空券などが絶賛発売中です。
原油が下がると新しい飛行機が売れない?
ブルームバーグが燃料費の負担が減ることによって、新しい航空機の導入が遅れる可能性についてまとめています。Cheap Fuel Threatens to Trim Airplane Sales: Video - Bloomberg
787やA350といった新しい航空機の売りは、燃費の良さ。
燃料費が高かった時は、いち早く低燃費の機材を導入することがコスト削減に繋がりました。
しかし燃料費が安くなれば、話は別。
高額な新しい航空機を導入するよりも、出来る限り今使っている航空機を使い続けたり、新機材の導入スピードを遅らせたほうが利益が上がる可能性が。
事実、多くの乗客は新機材が売りの航空会社よりも、少しでも価格が安い航空会社を選ぶ傾向があります。
まとめ
アメリカ上院議員のチャック・シューマー氏は、燃料費が下がってるのに航空券が安くなってねーよ!ということで、司法省に調査を求めたとか。Could lower oil prices mean cheaper airline seats?
ここ10年程度を調べてみると、"燃料費が安くなると航空券が安くなる"というのは正しいようで正しくありません。
今の傾向だと来年夏前に燃油サーチャージは無くなりそうです。でも実際に支払う金額は思ったよりも安くならないかも?