2015年はライアンエアーが誕生してから30周年!これまでの軌跡を辿る

1985年に設立、運航を開始した欧州を代表するLCC、ライアンエアーも今年で30周年。
ライアンエアーがどれだけ成長したかというと・・・・・・
1985年2014年
路線数1路線1600路線超
就航国数2カ国30カ国
1日の運航便数4便1600便超
保有機数1機300機超
拠点数1拠点72拠点
社員数51人9500人(45カ国以上)
年間利用者数5000人約8640万人

どこのエアラインも最初は1機や2機で営業開始となるわけですが、ここまで成長しているエアライン、特にLCCは一握り。ライアン以外はサウスウエストやイージージェットくらいでしょうか。

自分が初めて利用したLCCがこのライアンエアー。今から9年前の2006年の話。
1ヶ月前の予約でフランクフルト・ハーン→ロンドン・スタンステッドの運賃が1.79ユーロ。
別にセールでもなんでも無いんです。普通に予約するとこの価格がドーン、と。
もちろん、早朝便という訳ありですが。

セールの時は1ユーロ!0.01ユーロ!無料!のセールばかりでした。
クレジットカードの手数料で8ユーロくらいは支払うことになるんですが、それでも安かったですね。

今はセールでも20ユーロ前後で、昔ほどの激安感は無くなりました。
ただ、支払い手数料も安くなりましたし、最初から手数料が含まれた金額がきちんと表示されています。
また、支払い手数料が不要な支払い方法もいくつかあり、良心的になったと思います。

ライアンエアーの設立以来の軌跡は以下の通り。
ライアンエアーの由来や、最初はLCCとして運航していなかった事等、あまり知られていないことも知って頂けると思います。

1985年

クリストファー・ライアン、リアム・ローナガン、トニー・ライアンによって1ポンドの資本金を元に設立。当初のスタッフは25名。15席のエンブラエルEMB110でウォーターフォード(アイルランド)-ロンドン・ガトウィック空港線の運航を7月に開始。

1986年

2路線目となるダブリン-ロンドン・ルートン線の運航を5月より開始。料金は往復99ポンド(BAとエアリンガスの設定料金209ポンドよりも安く設定)。これによりヨーロッパ初となる航空運賃戦争が勃発。

1987年

ルーマニアのタロム航空より3機のBAC1-11機をリース。ダブリンからリバプール、マンチェスター、グラスゴー、カーディフへ15路線の運航を開始。ルートンからコーク、シャノン、ゴールウェー、ウォーターフォード、クノック線を新たに開拓した。

1988年

タロム航空より新たに3機のBAC1-11機をリース。さらに新型のATR製のターボプロップ双発旅客機もリース。週5便のダブリン-ブリュッセル線と週1便のダブリン-ミュンヘン線を就航。さらにビジネスクラスサービスとマイレージサービスを導入。

1989年

この年、BAC1-11機を6機、ATR製のターボプロップ双発旅客機を3機保有。損失増加の為、ビジネスクラスとマイレージサービスの運用を停止。

1990年

機材と路線を増やしたことで2000万ポンド(約50億円)の経営赤字を出す。ビジネス再編が求められ、格安航空会社として知られるサウスウエスト航空をモデルにヨーロッパ初となる格安航空会社にビジネス転換。

1991年

1月に湾岸戦争が始まり、この年の搭乗者数が激減。ロンドンのベースをルートン空港からスタンステッド空港へ変更。

1992年

経費削減の為路線と保有機を削減。路線は19から6路線へ減らした。8月に初めて1ヶ月で10万人の搭乗者数を達成。

1993年

アイルランド政府の勧告にも負けずに、5年振りとなる新路線ダブリン-バーミンガム線を運航。この年、初めて100万人の搭乗者数を達成。

1994年

1月にライアンエアー初となるボーイング737機が導入される。10月にエアリンガスが手を引いたダブリン-ロンドン・ガトウィック線の運航を開始。

1995年

ダブリン-ロンドン線において、エアリンガスとBAを抜きヨーロッパ一の搭乗者数を誇る航空会社、さらにアイルランド最大の航空会社となった。9月、ロンドン・スタンステッド-グラスゴーとプレストウィック線を就航し、英国国内線では初となる格安航空会社による運航を開始。

1996年

この年遂にEU圏内の航空許可を取得。

1997年

初となるヨーロッパ線を就航。最初の路線はロンドン・スタンステッド空港-ストックホルム・スカブスタ線及びサンデフィヨール空港線。12月にダブリン-ロンドン線における定時運航率ナンバーワンを獲得。

1998年

サマースケジュールに6つの新就航地を加える。3月、新型ボーイング737−800機を45機注文。「年間最優秀賞」(Irish Air Transport Users Committeeによる)、「ベスト経営航空会社」国際部門賞(International Aviation Weekによる)を獲得。

1999年

新たに8つのヨーロッパ路線を就航。さらにEU路線に免税販売サービスを導入。この年、ダブリン-ロンドン線の往復最低料金を19.99ポンドに設定。

2000年

1月に予約サイトwww.ryanair.comの運用を開始。Skynews Weatherのスポンサーとなり知名度をアップ。

2001年

ブリュッセル・サウスシャルルロワ空港をヨーロッパ大陸初の拠点化。

2002年

フランクフルト・ハーン空港をヨーロッパ大陸第2の拠点として、4月より10路線を運航。ルフトハンザの独占状態も終わったと話題に。この年、フライトキャンセル及び紛失荷物がヨーロッパ全航空会社の中で最も少なかったということで、カスタマーサービスヨーロッパ1位を獲得。

2003年

2月にイタリアのオーリオ・アル・セーリオ空港、4月にスウェーデンのストックホルム・スカブスタ空港を拠点化。この年に新たに就航した路線は73。7月には初めてひと月で200万人の搭乗者数を達成。

2004年

グーグル社により"2003年ウェブ上における最も人気の航空会社"に選ばれる。24機のボーイング737-800機を導入。イタリアのチャンピーノ空港とスペインのジローナ=コスタ・ブラバ空港を拠点化。

2005年

新たに5つの空港をベース空港に加え、ヨーロッパにおけるベース空港の数は合計15空港に。8月にはBAの搭乗者数を超えた。創設20周年記念として、10万席を99ペンス(約200円)で提供。

2006年

2月、英国Channel4のDispatchesというテレビ番組で、ライアンエアーを酷評する"居眠りライアンエアー(Ryanair caught napping)"が放送される。番組では、ライアンの訓練政策、セキュリティー手順や機材の衛生環境の悪さ、クルーのモラルの無さを中心に構成された。しかしCAの居眠り画像が番組側の偽造だったなど、ライアンエアーより数々の不服申し立てが出される状況に。
8月、空港でのチェックインを有料化。
この年、14億8千万ユーロでエアリングスに買収話を持ちかけたが、エアリングス側から拒否。

2007年

201の新路線を就航。
大西洋を横断する長距離路線を片道10ユーロからの格安料金で提供するという展望を明かすも、延期へ。

2008年

18機を導入し合計保有機数は181機となる。223路線を新たに就航し、拠点を4つ増やした。「2009年度版キャビンクルーチャリティーカレンダー」の収益10万ユーロをThe Dublin Simon Communityへ寄付。
12月、エアリンガスに7億5000万ユーロで2度目の買収を持ち掛けるがアイルランド政府の反対により失敗。

2009年

2月、2010年までに全てのチェックインカウンターを閉じ、オンラインチェックインに移行する旨を発表。この年10月に実現。
この年、エアバス社に"ボーイングよりも安くしたらエアバス機を買うよ"と持ち掛けるが、エアバス社に拒否される。
最終的に新たに8空港を拠点化し、合計41空港に。路線は940路線以上。世界的に不況に見舞われた年だったが、継続的な利用者数の増加により売上が前年比で200%を超えた。

2010年

燃油料が高騰しているにもかかわらず燃油サーチャージを取らないスタンスを継続し、乗客数を8%増やす。運航路線は1300路線を超える。
しかし10~12月はストライキとアイスランドのエイヤフィヤトラヨークトルの噴火による3000フライトのキャンセルにより1030万ユーロの損失を出した。

2011年

拠点は50空港となり1500路線を超える。企業収益は燃油料高騰にもかかわらず25%増加。
中国のCOMAC(中国商用飛機)とボーイング737のライバル機となるC-919機の共同開発を行う協定を結ぶ。

2012年

15機を新たに導入し、保有機は全部で305機となる。1600路線を運航。

2013年

10月に"カスタマーサービス向上"計画を発表。

2014年

より一層のサービス向上を発表。
株価は上場以来最高値に。



一昨年から始まったサービス向上キャンペーンで、昔ほど尖ったイメージは無くなってしまいました。
個人的には少し残念ではありますが、利用する側としては良い事ばかりが多いのは事実。
未だにライアンエアーを評判が悪いだの、奇抜なアイディアを出すLCC、なんて誤解をされている方が多いのですが、今のライアンエアーを利用されると違いに驚かれるのではないでしょうか。
実際、いくら安くても評判が悪ければ、最初に紹介したような搭乗実績にはならないですし、利用者が増え続けているのには理由があります。

今後もライアンエアーに関しては、情報量日本一の日本語ブログを目指して取り上げていきますよ★

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