その前の週には、ヴァージン・オーストラリアも燃油サーチャージを廃止することを発表しています。
QANTAS LOWERS FREQUENT FLYER CHARGES, REVIEWS INTERNATIONAL FARE STRUCTURE
これだけだと良い話なのですが、同時に運賃が値上がりすることも発表しています。
さて、両社が燃油サーチャージの廃止を決めたのには理由があります。
Qantas moves on fuel surcharge but airfares to remain the same
オーストラリア公正取引委員会(ACCC)がカンタスとヴァージンの2社について調査を行った結果、原油が1バレル105ドルから50ドルに下がった7ヶ月の間、両社とも燃油サーチャージ料を変更しなかった、とのこと。
この点を指摘をしてからたった1週間で、両社とも燃油サーチャージの廃止を発表。
うーん、さすがです。
早速28日からカンタスの特典航空券は、いくつかのフライトでエコノミーであれば110ドル程、プレミアムエコノミーでは130ドル程安く発券が可能。燃油サーチャージ分安くなるってことですね。
一方、通常の航空券の燃油サーチャージ廃止はしばらく時間がかかる様子。
燃油サーチャージの廃止で最も恩恵を受けるのは、特典航空券を予約する際に燃油サーチャージが加算される航空会社を利用されている方ですね。
燃油サーチャージが廃止されても航空券そのものの料金が値下げになるかというと微妙、というのは以前記事にしました。
燃油サーチャージが無くなると航空券は安くなる?飛行機と燃油の話
LCCを除くと燃油サーチャージを廃止を決めたのはトランスアエロとフィリピン航空くらいでしょうか。
フィリピンも航空当局からの指示ですし、オーストラリアも似たようなもの。
その点トランスアエロは昨年12月にいち早くサーチャージを廃止したので驚きでした。
そもそも主要先進国の航空会社・旅行会社は総額表示が基本です。
なぜか航空券を総額表示にしない日本の旅行業界
カンタスも例のごとく、日本発だとtax抜きなのにオーストラリア発だとtax込。
欧米の方は燃油サーチャージがいくら・・・なんて調べないし、気にする必要が無いんですよね。
利用者としてはすごく助かります。
広告に書いてある値段通りの値段で買えますから。
さて、10万円の航空券があるとします。
そこに燃油サーチャージで5万円追加となると15万円。
でも15万円だと席が埋まりません。
じゃあどうするか。
燃油サーチャージの値上げ、値下げは急にはできません。
航空券を値下げして7万円にしましょう。
そこにサーチャージ5万円を追加して12万円で販売!
売れました!
原油が安くなってサーチャージが廃止になりました。
では10万円で売りますか?
いえいえ、12万円でもみなさんが買ってくれる事を航空会社は知っています。
運賃を値上げして12万円で販売。
やっぱり売れました。
サーチャージが高くなると運賃は値下がりしますし、サーチャージが安くなると運賃が値上げ。
基本はこれです。
しかし、中には燃油サーチャージ分をきちんと値上げ、値下げする航空会社が存在します。
そういう会社は良いですね!惚れてしまいます。