スカイマークの成田-ニューヨーク線は成功するのか。

気になる記事があったので、ピックアップ。

source: SankeiBiz

スカイマークは2014年の下半期に成田-ニューヨーク線の就航を予定していますが、やはり座席は全席プレミアムエコノミーとビジネスの座席配置にするようです。

全席上級クラスの長距離線は世界では意外と珍しくて、有名なのはシンガポール航空のシンガポール-ニューアーク線。
この路線は所要時間19時間という世界最長路線、さらに運用されていたA340は全席ビジネス!なんですが、この路線も今年中に廃止される予定です。

全席ビジネスクラスと言いますと、日本ではANAの成田-ムンバイ線が有名ですが、こちらも結局後方部の数列をエコノミーに改装という話を聞きました。
まあこのANAは737-700ですから、100席もありません。



問題はスカイマークのA380です。
2103年半ばに最終決定されるというスカイマークA380の座席仕様ですが、現在わかっているものだと、1階がプレミアムエコノミークラス280席、2階は全てビジネスクラス114席の合計394席

そして今回の報道だと、想定する料金はビジネスで40万円以下、プレエコなら20万円以下。ビジネスで50-100万円する日系の半値以下を目指すということです。

でも2013年の今、アメリカンならビジネスで40万円ぐらいですし、マイルやら何やらサービスが充実してます。


はっきり言ってビジネスに乗りたい層は、40万出すならスカイマークではない航空会社を選ぶと思うんですよね。
成田やニューヨークでラウンジをどうするのか謎ですし、単純に機内サービスだけで勝負できる世界ではありません。

エアアジアXの片道2万円と6万円の差ではなく、10万円と40万円の差ですからね。それ相応のサービスがついてこないと、ビジネスとは言えません。


そしてプレエコは20万円以下に設定するという話ですが・・・・・・。
毎日東京-ニューヨーク間には片道6便、1500席前後が供給されてます。
ここに400席がプラスされるわけですから、
1.他社を普段使っている人を奪う。
2.普段ニューヨークに行かない人に利用させる。
の2択のうち、2だけでは限界があります。
2の方達は厳密に言うと、「以前より安くなったので行く」という層ですからね。
20万じゃ行きません。
となると、1の普段プレエコに乗っている層を他社から奪ってくるということになりますが、みなさんお気に入りのエアラインを普段から使って、マイルをせっせと貯めている方達ですから、そんなにスカイマークにちょっと安いからという理由だけでは移りはしないと思うんです。


現在わかっていることを考えると、最低でもプレエコは10万円強の価格設定のはず。
もしプレエコなのに、日系のエコノミー以下の値段ならかなりの人数がスカイマークに移ります。


ただビジネスに関しては値段を下げても限界がありすからね、どうするんでしょうか。
個人的にはデルタのラウンジか、もしかするとスカイチームの加盟も考えられます。
すでにデルタのマイルでスカイマークの特典航空券に変えられれますし、スカイチームは無くてもデルタともっと濃い提携をするというのはかなりの確率であると思います。



と、思ったことを書き続けましたが、結局スカイマークはLCCではなく、あくまでFSAよりちょっと安い普通の航空会社なんですよ。

そんなことを言っていたら、丁度こういう記事も。

スカイマーク、新割引運賃で逆襲 「自分たちはLCCにはならない」
source: SankeiBiz

社長自ら、「安いといっても大手がいての相対的な安さで、大手がいないと成り立たない。自分たちはLCCにはならない」と、断言しています。

じゃあ、大手がいなくなったらどうなるのか。
世界中で主要路線以外からは大手は撤退しています。特に国内線。LCCが強い国は小さな空港は大抵大手が飛んでいなくても、LCCなら飛んでいるというのが現状です。

比較的日本と面積や人口比率が似ていて、鉄道が発達しているフランスとドイツ。
あのルフトハンザでさえジャーマンウイングスを子会社化し、低価格で勝負しています。
エールフランスも、LCCのような料金体系を導入し、低価格化。

スカイマークはこのまま、LCCとFSAの間で勝負できると思っているのか。

甘い。

大手がいなくなったら、ただの高い航空会社だ。

今後が非常に楽しみです(๑´ڡ`๑)