イギリスのAir Passenger Duty最新事情 -2015年5月更新-

日本と直行便で結ばれているヨーロッパの都市の中で最も航空券が高額な傾向にあるロンドン。
理由は明確で、単に空港使用料や税金が高いから。

その中でもAPDと呼ばれる税金が高かったのですが、2015年4月から大きく変わりました。
チェックしてみましょう。

そもそもAPDって?

APDとは、Air Passenger Duty(航空旅客税)の略。
イギリスを出発する空港利用者に課せられる税金です。

料金はイギリスの首都、ロンドンから目的地の首都までの距離を元に算出されます。
例えば、アメリカのロサンゼルスまでの航空券の場合は、ワシントンまでの距離を元に算出。
日本であれば、大阪までの航空券でもロンドンから東京までの距離を元に算出されます。

2015年3月までは2000マイル、4000マイル、6000マイル、6000マイル以上と4区分に分けられていました。
イメージとしてはこんな感じ。
さらに、エコノミークラスとエコノミー以外のクラスでも料金が異なり、ビジネスやファーストは基本的にエコノミーの倍となります。
プレミアムエコノミーを設定している航空会社の場合、プレミアムエコノミー以上から倍の税金となる場合がほとんど。

これがとんでもない価格設定だった訳です。

2015年3月31日までのAPD

2015年3月までのAPDは以下の通りです。
エコノミークラスエコノミー以上
Band A (3219km未満)13ポンド/2340円26ポンド/4680円
Band B (6437km未満)69ポンド/12420円138ポンド/24840円
Band C (9656km未満)85ポンド/15300円170ポンド/30600円
Band D (9656km以上)97ポンド/17460円194ポンド/34920円
分かりやすいように、マイルはkm、ポンドは1ポンド180円で換算しています。

例えば、ロンドンから東京までの航空券が10万円だった場合、距離はエコノミーであれば15300円。
ちょっと奮発してプレエコに乗ろうかな?と思ったら、30600円が必要となります。
これに空港使用料、さらに燃油サーチャージまで加算されるわけで・・・・・・。

2015年4月1日からのAPD

4月からBand CとDが廃止され、AとBだけになります。
エコノミークラス上級クラス
Band A (3219km未満)13ポンド/2340円26ポンド/4680円
Band B (3219km以上)71ポンド/12780円142ポンド/25560円
Band Aは変わらず、Bも2ポンドの値上げに留まっています。
何よりC・Dをこれまで支払っていた人達にとっては値下げとなりました。

12歳以下は無料に!来年から16歳以下に!

2015年5月1日から、12歳以下の子供はAPDは不要となりました。
さらに、2016年3月1日からは16歳以下が不要になります。

これらは2014年秋に発表されたため、支払い済みで5月1日以降に利用する場合は返金が可能。
一部航空会社では自動的に返金されるとアナウンスしていますが、旅行会社を通して予約された方やカードで支払っていない方は確認することをオススメします。

こんなに高い税金を払いたくない・・・・・・という方

APDが不要なのは、24時間以内の乗継の場合。
例えば日本→イギリス→スペインなんて旅程で、イギリスを24時間以内に出国すればOK。

また、APDはあくまで出国時に必要な税金。
例えば往路は日本→イギリス。復路はアイルランド→日本。なんて旅程にすればOK。
もちろん、イギリスからアイルランドまでは移動する必要がある訳ですが、71ポンド以下で移動できれば良いでしょうw

まとめ

利用者からは不評なAPD。
世界でもトップクラスの高額設定で、利用者はもちろん観光、旅行、航空業界からも非難の声が出続けています。
数年前に値上げ・・・なんて話が出た時は、普段仲が悪い航空会社も挙って非難。

例えばライアンエアーはこのような動画を作成。
アイルランドもAPDを徴収していましたが、2014年4月から撤廃。
その後、ライアンエアーは路線も増え、利用者も増え、経済は活性化。
にも関わらず、イギリスはまだAPDを取ってるの?

なんてことを伝えております。

APDが無くなると日本着の場合実質1万円強も値下がりするんですけどね。
そんな日は来るのでしょうか。