アジアアトランティックエアラインズをHISはなぜ作ったのか

アジアアトランティックエアラインズについて好き放題書きますよ!たまには草無しでガンガン書きます。



ご存じない方のためにアジアアトランティックエアラインズ(以下長いのでAAA)を軽くご説明。
AAAは、タイの国際チャーター便専門の航空会社。
チャーター便についてご存知無い方はWikipediaでもご参考に。
このAAA、2012年12月にH.I.S.が49%、H.I.S.のタイ現地法人のH.I.S.が39%、残り12%はパンラート・バイヨーク(バイヨーク・グループ オーナー兼会長)が出資し設立されました。
バイヨークグループはタイの不動産系有名企業ですね。
ま、ほとんどHISが出資しているので、HISのチャーター専門航空会社という位置づけで良いでしょう。



さて、なぜHISはここに来てこのような子会社、チャーターエアラインを作ったのか。
そもそも海外の大きな旅行会社は子会社として航空会社があるのは一般的。
例えばドイツの旅行代理店TUI AG。ここは子会社のエアラインが6社、120機以上を運用しています。
日本のJTBやHISとは大きく異なり、TUIは航空会社からホテルまで運営しており、日本語では垂直統合型の旅行代理店なんて呼びますね。イギリスではmultiple エージェンシーなんて言います。
簡単にいえば例えばパッケージツアーをTUIで申しこめば、すべてがTUIブランドで完結するわけです。そうなるとコストは下がり、利益も出ると。

航空会社を持ってる旅行代理店は他にもあって、イギリスのThomas Cook。トーマスクック時刻表で有名ですね。ここも約30機、100箇所前後に就航していたはず。

はっきり言って売上では日本の旅行会社も世界トップレベルですが、やってることはTUIやトーマスクックに比べて古典的というかなんというか。
未だにパッケージツアーで免税店に寄ったりね。

日本は今後少子高齢化が更に加速し、旅行業なんてこれ以上の増収が見込めない。
挙句若者の海外旅行離れ?なんて言うし、旅行よくする人も旅行代理店なんかを利用せず自分でオンライン上で予約をして完結してしまう人多数。
さらに、LCCの台頭で日本の旅行代理店はお先真っ暗。
そこでHISはアジアのマルチプルエージェンシーになってやろう!と考えているんだと、自分は思ってます。
目指せTUI、抜かしてやるぞトーマスクックと。
海外拠点も100を超え、ある程度準備は出来た。そこでAAA!!!

ま、HISの澤田会長に聞いたわけでもなんでもないんですが、あの人ならそう考えてると思うんですよね。野心的だし。

実際、AAAの社長はボビーですよ?営業本部長で、今は執行役員?HISのブレーン、かどうかは別としてよくHISの記者会見にいる浅黒系のバングラデシュ人です。彼を社長にしたってことは、ガチでAAAをやるつもりなんでしょう。

建前ではアジアで増加する航空需要に台頭するため、なんて言うでしょうがハウステンボスやあのフェリーを見ても、とにかく自社で全てを賄える旅行代理店に生まれ変わるための布石がAAA。

もう次はホテルチェーンですかね。



色々書きましたが、以上が自分が推測するAAA設立理由。かなり噛み砕いて書いてみました。
こちらもあわせでどうぞ。
乗って感じるアジアアトランティックエアラインズの問題点